ダルビッシュが絶賛した男・オリックス
山岡泰輔がプロ初登板を自己分析 (5ページ目)
ただ、勝負を分けたのもストレートだった。オリックス1点リードの7回表、無死二、三塁のピンチで一軍に昇格したばかりの細谷圭に内角寄りのストレートをレフトスタンドに運ばれた。まさに痛恨の1球。山岡は言う。
「あの1球はインコースへデッドボールになっていい、というくらいの球を投げたかったんですけど......」
内野は前進守備。イメージは内野ゴロだった。しかし、狙ったはずの内角が甘く入り、スピードも出なかった(138キロ)。山岡は「欲が出てしまった」と言い、こう続けた。
「もっと思い切って投げていれば、高めにいってもフライになったかもしれない。だけど、1点も与えたくない、ゴロで打ち取りたいという欲が出てしまった。投げているときは抑えるしかないという気持ちだったんですけど、あとあと考えたら、1点取られても同点でしたので、そういう考えもあったのかな......と」
1点を防ぎにいこうとした結果の3失点。ボール1個分甘くなると......、球の威力が少しでも落ちると......、その1球が致命傷となるのがプロの世界。身をもって"プロの洗礼"を浴びた一方で、手応えも感じた105球を次にどうつなげるのか。
「楽しかったです。プロ初登板って人生で今日しかないですから。もちろん勝ちたかったですけど、勝つときもあれば負けるときもあるので......。今日のよかったところを増やして、勝ちにつながるようなピッチングをしていきたいです」
21歳の山岡が踏み出した第一歩。これから先、どんなプロ野球人生が待っているのだろうか。海の向こうにいるダルビッシュがまた呟きたくなるような、鮮やかな活躍に期待したいものだ。
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