スワローズ必勝の法則。中村悠平が
攻守で粘ればチームは勝てる!

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ヤクルトには、「なぜ成功したのか。なぜ失敗したのか。そこを考えて次に生かす」という"チーム訓"がある。春のキャンプ中に、正捕手の中村悠平にそのことについて聞くと、こんな答えが返ってきた。

「昨年はピッチャーに対する配慮が欠けていたかもしれません。たとえば、インコースを要求して、ピッチャーが首を横に振っても、僕はそれを貫き通しました。結局、ピッチャーの気持ちの整理がつかないまま投げさせてしまい、ああいう結果になってしまいました」

DeNAとの開幕シリーズでは攻守にわたり存在感を示した中村悠平DeNAとの開幕シリーズでは攻守にわたり存在感を示した中村悠平 昨シーズン、中村が先発マスクを被ったときの先発投手の防御率は5.36。序盤に失点を重ねる試合が多かった。ただ、中村はこうも言う。

「そこは反省点ですが、妥協したらいけないと思います。相手をゼロに抑えるために、ピッチャーとのコミュニケーションを今まで以上にとって、自分の意図をより明確に伝えていきたい。今年結果を残さなければ、昨年の悔しい経験が生きたとは言えません。1年では解決できず、2~3年かかるかもしれませんが、覚悟、責任感、使命感を持って臨みたいですね」

 3月31日、プロ野球開幕戦。ヤクルトは本拠地・神宮球場で前年3位のDeNAと3連戦を行なった。開幕投手は37歳の石川雅規が任され、中村は7番・捕手で出場した。試合前の練習を終え、クラブハウスに引き上げる中村に開幕戦の意気込みを語ってもらった。

「とにかく初回がすべてだと思います。まずは先頭打者を打ち取ること。三者凡退が最高ですが、ランナーを出したとしてもしっかりゼロで切り抜ける。そうすれば石川さんも落ち着くと思いますし、チームも波に乗れる。開幕戦の緊張感を楽しめればいいんですけど......当然、力みは出ると思いますが、開幕戦に出られるだけで幸せなことですから」

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