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韓国「WBC惨敗」の真相。
国内リーグ隆盛が引き起こした代表の凋落 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

 結論から言えば、「韓国野球が向かう方向を見失ってしまった」からだろう。2008年の北京五輪の優勝、2009年のWBC準優勝。この頃が韓国野球のピークだった。

 当時の韓国野球には「スピード」と「パワー」という明確なふたつの柱が存在していた。それは国際大会を戦う上でも強力な武器となっていた。だから、世界の頂点にも立てたのだ。

 ところがそれ以降、そうした韓国野球のカラーは時代とともにぼやけてしまった。世代交代がうまくいかず、ポテンシャルの高い選手も育ってこなかった。たとえ才能ある選手がいたとしても、前述したように好待遇が戦うモチベーションを鈍化させるという悪循環に陥ってしまった。

 それも結局のところ、一度ピークを見た者が次の目標に向かう際、その方向を見失ってしまった――そう思えてならない。要するに、国内野球の隆盛が代表チームを衰退させるという皮肉な結果を招いてしまった。

 敗戦の中から、その国の野球の背景も透けて見える。それも国際大会の残酷さであり、だからこそ面白くもあるのだ。

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