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韓国「WBC惨敗」の真相。
国内リーグ隆盛が引き起こした代表の凋落

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

 韓国がWBC1次ラウンドで敗退した。戦前の予想でノーマークだったイスラエルに敗れたこともあり、日本では「よもやの敗戦」として受け止められた。

 だが、戦力が整わなかったことは明らかだった。メジャー組は抑えの呉昇桓(オ・スンファン/カージナルス)のみで、秋信守(チュ・シンス/レンジャーズ)、姜正浩(カン・ジョンホ/パイレーツ)、金賢洙(キム・ヒョンス/オリオールズ)といったメジャー野手組は、誰ひとりとして代表入りしなかった。もともと投手力が弱く、彼らの打力に頼りたかったが叶わなかった。

1勝2敗でWBC1次リーグ敗退が決まった韓国。写真中央が金寅植監督1勝2敗でWBC1次リーグ敗退が決まった韓国。写真中央が金寅植監督 そんなチーム事情もあり、韓国では大会前から「今回は苦戦するぞ」という空気が流れていた。

 だからといって韓国のマスコミが許すはずもなく、今はさかんに敗因の分析と戦犯捜しで盛り上がっている。自国開催での1次ラウンド敗退は、マスコミやファンにとっても、この上なく屈辱的なことに変わりはない。

 今回の敗戦を考えていると、ひとつ気になることがあった。それは「選手が豊かになった」ということだ。

 近年、韓国のプロ野球は人気が高まり、選手の待遇も良くなった。FA移籍のときなどは、残留するにしても移籍するにしても莫大な金額を提示される。ちなみに、韓国プロ野球選手の今季の平均年俸は1億3883万ウォン(約1400万円)で、主軸クラスだと4億ウォン(約4000万円)~5億ウォン(約5000万円)というのも珍しくなくなった。

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