WBCで負け続ける中国が「海外7人組」を呼んで狙う日本からの1勝 (2ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

 そうした言葉をキャッチフレーズにして、代表のシャツも作ったという。

「いわば挑戦者スタンス?」と尋ねると、笑顔で頷き、「そう、まだ中国の野球は世界において挑戦者。だが、その心がけを維持できている限り、必ず明日につながる」と続けた。

 言葉にすればもっともなことのように聞こえるが、実際にマクラーレン監督は慎重に勝敗や結果についての言及を避けた。現時点でWBCに参加するほどの国は、すべて中国よりレベルが上――そんな相手に対して、勝ち負けを論じても意味がない。それをわかっているからだ。

 ちなみに巨人三軍との試合は、0対3の"完封負け"。巨人の背番号3ケタの投手たちから2安打しか奪えなかった。

 北京五輪での1勝を目標に掲げてプロ化を進め、本格的な組織が立ち上がったのが1990年代後半のこと。リーグは2002年に始まった。実質的にはまだ20年にも満たない。その間、中国代表は多くの国際大会で負け続けた。無論、大会によっては勝利したこともあるが、WBCレベルの大きな国際大会ではこれでもかというくらいに負けを喫してきた。

 その姿を見るにつけ、「よくこれだけ負け続けても、モチベーションを落とさず戦い続けられるものだ」と感じたことすらあった。どれだけ気持ちを張り詰めていても、負け続ければうつむいてしまうものだ。やはり勝利がなによりの良薬になるに違いない。

 だから、というわけではないだろうが、今回、中国代表はこれまでと異なり、海外でプレーする中国系選手を熱心に招聘した。

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