WBCで負け続ける中国が「海外7人組」を呼んで狙う日本からの1勝

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

WBC1次ラウンド・ライバル国紹介~中国

「大谷(翔平)という素晴らしい選手の存在は、我々の耳にも入っている。もちろん、辞退したことも。勝ち負けは別にして、戦うことを楽しみにしていたんだけど......残念だね」

 巨人三軍との練習試合のあと、中国のジョン・マクラーレン監督はそう言って穏やかに微笑んだ。

初戦のキューバ戦に先発し好投したブルース・チェン初戦のキューバ戦に先発し好投したブルース・チェン 今年65歳。プレーヤーとしてメジャーでの実績はないが、マイナーチームのコーチから叩き上げで、2007年にはシアトル・マリナーズの監督にまで上り詰めた。2013年の第3回WBCでも中国の代表監督を務めており、2大会続けて指揮を執ることになった。

 中国代表はアリゾナでの合宿を終えると、2月23日に来日。直前練習場所である鹿児島に入り、25日に宮崎へ来て巨人の三軍と練習試合(6イニング制)を行なった。その足ですぐ鹿児島に戻り、翌26日は韓国のKtウィズ、そして28日には再び宮崎でオリックス二軍との練習試合というハードスケジュールだった。

 宮崎~鹿児島間は車で2時間足らずとはいえ、選手や関係者は練習相手の確保のため、行き来しなければならない。あるチーム関係者に労(いたわ)りの言葉を述べると、「中国大陸での移動距離を考えたら、苦にもなりません」と一笑に付した。

「疲れた」「大変だ」などと言える立場ではない。マクラーレン監督は、雑談程度の会話でも、常に次のような言葉を口にした。

「選手たちにはいつも『今日より明日、少しでも進歩していることを自身に求めなさい』ということを話しているんです。その結果、技術も高まるし、チームもレベルが上がっていく」

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