伝説の豪腕・山口高志が藤浪晋太郎に見た「世界デビュー」の予感 (5ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Getty Images

 かつて山口氏も国際大会で名を馳せたことがあった。関西大学時代、記念すべき第1回日米大学野球で将来のメジャーリーガーたちを剛球で圧倒し、日本を初代王者へと導いたのだ。プロ・アマや大会規模など、何もかも違うが、日の丸を背負い、異国のスラッガーたちと対戦する状況に、かつての自分を重ね合わせたのか。山口氏は藤浪にこんなエールを送った。

「WBCは特別な舞台。ただ、日の丸を背負っているのに"そんな"......と思うかもしれないけど、お祭り気分でマウンドへ上がったらいいと思う。『みんながオレを見ている』というぐらいでちょうどいい。自分がその舞台を楽しむことで力を出せる。そういう意味で、藤浪との話のなかで純粋に力のあるバッターとの勝負を楽しみにしているという気持ちが伝わったのはよかった。藤浪にとっては大きな舞台になるはず。大いに期待しています」

 大谷不在のなか、藤浪晋太郎の名を世界に知らしめる大会になるのか──。王者奪還のカギはこの男が握っているかもしれない。

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