栗山英樹が語るこれからの監督像
「オーラが必要という時代は終わった」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

栗山英樹監督インタビュー(前編)

 昨シーズン、最大11.5ゲーム差を逆転してリーグ優勝を果たすと、日本シリーズでも広島を寄せつけず日本ハムを日本一へと導いた栗山英樹監督。プロ野球の発展にもっとも貢献した監督や選手に贈られる「正力松太郎賞」を受賞し、文字通り、日本一の監督となった。そんな指揮官が描く理想の「監督像」とは。

昨シーズン、監督となって初めての日本一を達成した日本ハム・栗山英樹監督昨シーズン、監督となって初めての日本一を達成した日本ハム・栗山英樹監督
──
 スポルティーバでは、就任以来、6年連続のインタビューになります。

「そうだったね。でも、こんなにバタバタしたオフは監督生活で初めてだよ。だって日本シリーズが終わってから全然、休んでないんだから......」

── えっ、そんなに?

「休みの日にも誰かしら来ていたし、取材も多かったしね」

── 今日も取材で、すみません(苦笑)。

「とんでもない。取材してもらえるのはありがたいことだからね。でも、このオフの取材は経済誌とか、スポーツ以外の媒体が多かったかな。少しでもたくさんの人にファイターズのことを知ってもらいたいと思って、このオフは受けるよって宣言しちゃったんだけど......まぁ、キャンプが始まったら野球に集中できるから、その分、楽になる(笑)」

── そりゃ、正力松太郎賞まで獲っちゃったんだから、経済誌も来ますよ......あっ、獲っちゃったっていうのは失礼な言い方でした。すみません。

「いやいや、あの賞は僕ではなくて、チームがいただいた賞だから、ホント、僕にとっては、獲っちゃいました、だよね」

── でも正力賞を受賞したら、監督としては上り詰めた感があるんじゃないですか。

「上り詰めた? それは......全然、ないね(笑)。だって、相変わらず選手たちにはイジられまくってるんだから。『監督、老けましたよね』とか(苦笑)。だから、上り詰めた感はゼロですよ、ゼロ」

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