167cmの日本ハム・谷元圭介を
1億円投手にのし上げたマウンド度胸

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Syogo

3年連続で50試合以上に登板するなど、チームの日本一に大きく貢献した谷元3年連続で50試合以上に登板するなど、チームの日本一に大きく貢献した谷元 2016年10月29日に行なわれた日本シリーズ第6戦。3勝2敗で日本一に王手をかけた日本ハムが10対4と広島カープをリードして迎えた最終回に、栗山監督は谷元圭介をマウンドに送った。

 敵地マツダスタジアムを埋め尽くした広島ファンの、奇跡の逆転を願う大声援が飛ぶ中でも、167cmの小さなリリーフエースに動揺はなかった。2人目の西川龍馬にライト前ヒットこそ許したが、続く田中広輔をファーストゴロ、菊池涼介をセカンドフライに打ち取り、駆け寄ってくる味方選手の中心で歓喜を味わった。

 昨シーズンはレギュラーシーズンでもチーム最多タイの58試合に登板し、3勝2敗28ホールド3セーブと、最大11.5ゲーム差を跳ね返しての大逆転優勝に貢献。その活躍が評価され、オフの契約更改では2800万円増の年俸1億円でサインした。入団8年目での「大台」到達を、谷元はこう語る。

「それだけの評価をいただけたことは素直に嬉しかったですね。プロに入るまでは、正直ここまでこれるとは思っていませんでしたから」

 三重県の稲生高校時代に内野手から投手に転向し、卒業後は中部大学に進学。伸びのあるストレートを武器に勝利を積み重ね、愛知大学リーグのベストナインにも選ばれるなど実績を残したものの、「身長が低い」という理由で4年時のドラフトにかかることはなかった。

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