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元メジャースカウトが語る「大谷翔平、
メジャーでも二刀流」のハードル (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

 4年前、小島はドジャースのスカウトとして大谷翔平の獲得に失敗し、大谷は急転、ファイターズに入団することとなった。そしてこの4年間で、ドジャースが想定しなかった二刀流のプレーヤーとして、規格外の力を見せつけた。そんなタイミングで小島に大谷のことを語ってもらったのは、18歳の大谷が日本とアメリカ、どちらに行くべきだったのかの是非を問うためではない。ファイターズを選択したメリットばかりが際立っているが、ドジャースを選んでいれば享受できたかもしれないメリットを話してもらうことで、見過ごされがちな今の大谷の課題が見えてくるかもしれないと考えたからだ。高校1年から、いいときも悪いときも追い続け、誰よりも大谷翔平の才能に惚れていたからこそ、見えてくるものがある。

「メジャーで二刀流を実現させようと思ったらハードルはあちこちにありますし、そこに至るまでは茨の道ですよ。大谷くん一人のために何人もの主力を動かすことになるわけですからチーム内から反発が出るかもしれませんし......そこを変えるには10年かかります。ただ、どんなことでも投げ掛けない限りは変わりません。たとえ10年かかっても大谷翔平がメジャーの歴史を変えたら、それはもう、とんでもないことですけどね」

 野球の常識を変える。日本だけでなく、メジャーでも――それはイチローが歩んできた道だ。大谷もそういう存在であることを早くから理解している野球人が二人いた。一人は栗山英樹、そしてもう一人が、小島圭市だった。それは紛れもない事実なのである。

(おわり)

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