元メジャースカウトが語る「大谷翔平、
メジャーでも二刀流」のハードル (3ページ目)
ファイターズの栗山英樹監督もかねてから「メジャーからピッチャーとバッターの両方で欲しいと言わせることが翔平の二刀流の目指すところ」だと話しており、今の流れから、仮に現行のポスティングシステムでメジャー移籍を目指すとなった場合、大谷が二刀流の継続を望めば、メジャーの球団も大谷に選んでもらうために投打の両方でオファーを出さざるを得ないだろう。その点について、小島はこう分析する。
「確かに、メジャーの空気は変わってきました。それは大谷翔平という選手のポテンシャルに、メジャー30球団の幹部がやっと気づいたからだと思います。投げる姿、打つ姿、走る姿......どれにも可能性があると判断したんでしょうね。大谷くんに関しては今でも、完成したものを買うというより、彼の可能性を何百億円で買うという話なんです。だから、まずはピッチャーもバッターもやらせようという話にはなると思いますよ。とりあえず、チャンスを与える。でもその後、球団内では二刀流の賛成派と反対派が侃々諤々(かんかんがくがく)、大変なことになるんじゃないですか。
そもそもコイツは野手でもイケるなというピッチャーは、マイナーにはたくさんいるんです。メジャーでバッティングがいいと言われるマディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)にしてもクレイトン・カーショウ(ドジャース)にしても、バッティング練習を見たらパッカパッカ打ってますから......そんな中、大谷くんがアメリカでも二刀流を長く続けられると思っているメジャーの球団幹部は、僕は限りなくゼロに近いと思っています」
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