2016.05.08

プロ11年目の再出発。村中恭兵は中継ぎで輝きを取り戻せるか?

  • 町田利衣●文 text by Machida Rie
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 表情は明るい。自信を取り戻しつつある証拠だろう。背番号は「43」。ヤクルト・村中恭兵が新たな姿で生まれ変わろうとしている。プロ11年目の今季、3月27日に一軍に昇格すると、ここまで13試合に登板して防御率1.65(5月5日現在)。「チームに必要とされているので非常にありがたいです。昨年1年間苦しかったけど、色々な人の支えや助言があって頑張ってこられたので、いま一軍に上がれていると思う」とはにかんだ。

今季から背番号が「43」に変わった村中恭兵

 2005年の高校生ドラフト1位。身長188センチ、体重88キロの恵まれた体。周囲の期待はいつも大きかった。先発として10、12年に2ケタ勝利を挙げたが、13年は25試合の登板で5勝9敗と期待を大きく裏切った。そして始まった苦難の道のりは長く、険しかった。14年には7試合に登板したが、腰痛を発症した。

 診断名は椎間板症。「歩くのも、寝ているのもつらかった」と振り返るように、日常生活にも支障をきたすほどの痛みに襲われた。腰の負担を減らすために、90キロあった体重を5キロほど減らした。

「投げられるようになったあとも、パフォーマンス的なところはやはり落ちていた」

 歯車は狂い始めていた。腰の痛みは完治しなかったものの、和らいで迎えた15年。2月の春季キャンプから「モヤモヤしていた。しっくりこない」という気持ちを抱えながら過ごしていた。やはり結果は伴わなかった。4月、イースタン・リーグ、楽天戦に先発したが、ストライクが入らず、一死も取れずに降板。強制送還を命じられ、仙台からひとり新幹線に揺られて帰京した。