2016.04.05

解説者・森本稀哲がビックリ「オコエ選手は……すごい!」

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro寺崎敦●取材協力 cooperation by Terasaki Atsushi

森本稀哲インタビュー(後編)

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 それは、聞いている人間をもたじろがせる、強い口調だった。

「全力疾走で『もたない』って選手は、やめたほうがいいですよ」

 2015年限りで17年間の現役生活に終止符を打った森本稀哲は、今年から野球解説者に転身した。精力的に各球団キャンプを巡って取材していた森本に、解説者としてのプロ野球展望を聞いていた際、その言葉は発せられた。

解説者として第二の人生を歩くことになった森本稀哲

 森本は2月に古巣・日本ハムのキャンプを見るために、米国・ピオリアに飛んだ。森本がチームに在籍したのは2010年までで、当時とは選手の顔ぶれも違う。「どの選手がどう取り組んでいるのか?」という視点でキャンプを見たという。

 日本ハムのキーマンは、中田翔と西川遥輝。森本はそう見ている。中田は若いチームの精神的な支柱。そして西川には、西武時代から「敵としてイヤだった」と注目していた。だが、同時にこんな思いも抱いていたという。

「西川選手が元気だと、相手として一番イヤでした。でも、彼は好不調の波に左右されるきらいがありました。悪いときは、あっさりあきらめてしまう。これは相手にとってはラクなんです。試合が決まってしまいますから。でも、調子がいいときの彼は、もう手がつけられないようなプレーをする。だから本当にもったいないと思っていました。彼が悪いときも常に全力で走ってくれれば、相手チームにとってすごくイヤなプレッシャーを与えることができます。これは、中田選手にも言えることですね。まだ若いんだし、もっともっと泥にまみれてやってほしいんです」

 苦しいときこそ、人間の力が現れる。悪いときこそ、チャレンジする。それは森本が現役時代に実践してきたことだった。