栗山監督が語る「打倒ソフトバンクで噴き出すマグマと大谷翔平」 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 たとえば今年、(西川)遥輝は本当に危機感を持ってやってるよね。それはアイツの春のキャンプに向かう姿勢だったり、バッティングでの変化を見ていれば、 間違いなく伝わってくる。ただ、能力の高い選手というのはすぐに安心してしまうんだ。遥輝にしても、初めてと言っていいかもしれないこの本当の危機感を、どこまで持続させられるか......そこはこっちが手を変え、品を変え、緊張感を持たせられるような工夫をしていかなくちゃいけないだろうね。

 ウチがホークスを超えるためには、やっぱりピッチャーが一番。ピッチャーが......五分とまでは言わないけど、限りなく五分に近いところで渡り合ってくれたら、必ずチャンスはある。五分に近いところでガマンしてくれれば、そこにマグマが生まれるんだと思う。

 それが2012年の吉川(光夫)のように思いもしない勝ち星を挙げるピッチャーがひとり出てくるという形なのか、あるいはピッチャーじゃなくて、爆発的に打つ野手が出てくるという形だってあり得る。みんなは、(大谷)翔平はもう15勝を計算済みの存在だからマグマにはなり得ないっていうんだけど、そんなことないよ。だって、イーグルスが優勝した2013年のマー君(田中将大)は24勝0敗でしょ。だったら翔平が25勝することだって、ないとは言えない。そうすればプラス10勝で、これも十分、マグマになり得る。僕は翔平が持ってるものの大きさを信じているつもりだし、だから翔平がマグマにならない理由はないと思ってる。しかもアイツは、プラス10勝をバットで稼ぎ出すことだってできるんだからね。

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