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里崎智也氏の「打てる捕手」理論。その最低ノルマは打率2割5分 (2ページ目)

  • 島村誠也●取材・文text by Shimamura Seiya  村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

――確かに、昨シーズンも捕手として規定打席に到達したのは中村悠平(ヤクルト)と炭谷銀仁朗(西武)の2人しかいません。しかも、打率は中村が.231、炭谷は.211でともにリーグ最低の数字です。100試合以上に先発したのは、上記の2人に加えて嶋基宏(楽天)と田村龍弘(ロッテ)と寂しいものとなっています。

「僕の理論は一貫しているんです。『捕る(キャッチング)・止める(ブロッキング)・投げる(スローイング)』が一軍レベルにあるならば、打てる選手を起用する。リードは優先順位でいえば、最下位です。例えばロッテは、田村龍弘や吉田裕太などで競争していますが、みんな打てないから競争になる。打てないということは、リードの評価で試合に出ることになるのですが、それって結局、試合に『勝つか負けるか』の結果論なんですよ。強いチームであれば、良いリードと評価され、チームが弱かったら、リードが悪いとなる。どれだけ勉強して、いい理屈を持っていても、勝てなければ評価されません。実は個人の能力評価でなくチームの能力評価なんです。

 結局『打つ』ことが、キャッチャーを評価するときに、一番簡単で明快なんですよ。打率、ホームラン、打点といった数字は打順に関係なく平等に評価されますから。打つ選手は負けてる時も代えられませんよね。打てない選手は負けが続くと代えられます。去年、西武が13連敗したときに炭谷が先発から外されました。打てないからですよ。逆に打てる選手は連敗中の方が代えられない。その選手が出なければ得点源が減りますから。今の時代――繰り返しますが『捕る・止める・投げる』が一軍レベルにあり、打つことができれば競争から抜け出せますよ」

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