プロ野球2015年シーズン、ベンチ裏で聞こえた「ヒソヒソ話」 (4ページ目)
●西武・森友哉が越えられない炭谷銀仁朗の壁
森友哉(西武)はいつまで捕手でいられるのか。今季、主に5番を任され、打率.287、17本塁打、68打点と、高卒2年目の選手としては出色の数字を残した。だが、本職の捕手としての出場はゼロ。出場138試合のうち108試合が指名打者で、23試合がライト。残り7試合は代打での出場だった。球団は、来季は捕手として出場させる方針というが、春季キャンプ中に方針転換する可能性も否定できない。
昨年オフに国内FA権行使を噂された炭谷銀仁朗が、結局権利を封印して1年契約で残留し、今季は127試合でスタメンマスクを被った。そして今オフも去就が注目されていたが、新たに2年契約を結んだ。このことからも球団側の「正捕手は炭谷」という姿勢が透けて見える。
森の課題は投手陣からいまだ信頼の得られないキャッチング技術。なかには森と組むことを露骨に嫌がる投手もいる。はたして「捕手・森友哉」は実現するのだろうか。
●阪神・金本新監督、DeNAへの喝がブーメラン
現役時代に1492試合の連続試合フルイニング出場の世界記録を樹立し、“鉄人”として知られた金本知憲が阪神の監督に就任。2005年以来の優勝を託されることになった。
だが、長年ファンを苛立たせてきた生え抜き選手の伸び悩みで、チームは選手の高齢化が進んでいる。鳥谷敬は守備範囲、スローイングともに衰えが目立ち、コンバートの噂が絶えない。さらに、今オフの補強は、全盛期を過ぎた藤川球児(35歳)の復帰と、中日からFA移籍した高橋聡文(32歳)ぐらい。
2012年10月9日に甲子園球場で行なわれた自身の引退試合のスピーチで、対戦相手だった横浜DeNAのナインに対して、「選手より監督が目立つようではダメだと思います」と当時、中畑清監督ばかり目立っていたことに喝を入れたが、現時点で金本監督がチームで最も目立っているという皮肉な状況に陥(おちい)っている。
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