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今江敏晃「楽天に行ってもロッテのガムは噛み続けます」 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 日本シリーズでは8打席連続安打の新記録を樹立して、MVPを獲得。2010年の日本シリーズでもMVPを受賞したが、今江にとって2005年がマリーンズ時代で最も思い出深い年だったという。

「ロッテというチームは基本的に規則もあまり厳しくなく、自由に楽しくやろうという雰囲気があって、それがいいところだったのかもしれませんね」

 チームを去ることになってもマリーンズへの愛情を隠さない今江だが、すでに思いは東北の地に向いている。12月9日の入団会見の直後には、250人の楽天ファンの前で「入団報告会」を行なった。これは今江の入団を受けて、急遽決まったイベントだった。

「球団のいろんな方から『来てくれてうれしい』と言ってもらえたんですけど、それが交渉の場だけのうわべの言葉じゃないんです。球団も若い人が多くて気さくに接してくれて、すごく楽しいです」

 入団報告会では、PL学園の先輩である松井稼頭央からのビデオレターも上映された。入団会見で「新たな歴史の1ページをつくりたい」と抱負を語った今江の言葉を受ける形で、松井は「1ページ目は僕らがもうつくったので、一緒に2ページ目をつくりましょう」と機転の利いたメッセージを送った。場内は楽天ファンの大爆笑に包まれ、今江は「さすが稼頭央さんです。僕は2ページ目をつくります」と破顔一笑した。

 もともと東北には縁もあった。2011年の東日本大震災発生以来、毎年、福島県いわき市を慰問するなど支援を続けていた。その社会貢献活動が評価されて、11月にはゴールデンスピリット賞を受賞している。

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