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ロッテ平沢大河は、立浪以来の開幕スタメン高卒内野手となるか? (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Kyodo News

 初戦の明豊戦、第1打席でバックスクリーン横に先制の2ランを叩き込むと、準々決勝では秋田商の好投手・成田翔(ロッテ3位指名)から先制の一発。さらに、準決勝の早稲田実業では3点を先制した直後にダメ押しの3ラン。「ここでホームランがほしい」とチームが願う場面で、その通りに“仕事”をやってのけた。

 また、あまり話題になっていないが、平沢のフィールディングにもセンスが詰まっている。アクロバティックなスーパープレーをやってのけるタイプではないが、守備範囲の打球は確実にアウトにする。打球に対し、しっかりと捕球体勢をとれる。つまり、反応と初動の動きが速いのだ。

 捕手のサインを見て、この打者のスイングならこっちだろうと推理を立てる。それに基づき、右足、あるいは左足に体重をかけ、スタートを切るイメージを作っておく。その一歩目の早さがあるから、打球に先回りし、しっかり捕球体勢を取ることができるのだ。高校生では数少ない“攻めの守り”ができる選手である。

 そして平沢のセンスを決定的に印象づけたのが、甲子園のあとに行なわれた「U-18」のW杯。その壮行試合で「3番・ショート」で出場した平沢は、大学日本代表の先発・田中正義(創価大)の内角低めの153キロをライト前にクリーンヒット。来年のドラフトの超目玉が投じた難しいコースの快速球を、たったひと振りで弾き返してみせた。

「コイツはもうプロだ……」

 センスとは適応能力と思ったのも、この瞬間だった。

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