ヤクルトが屈した、常勝ソフトバンクの「巨大圧力」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 野村コーチも続く。

「やられているのは、福田秀平、明石健志の1、2番と李大浩だから。ふたりが出塁して、李大浩が還すというパターンが得点源になっている。福田と明石に出塁させすぎてしまった」

 このシリーズ、福田は打率.417、出塁率.533(先発出場は3試合)、明石は打率.438、出塁率.609という高い数字を残した。また、1番として2試合に先発出場した川島慶三も打率、出塁率とも.333。ソフトバンクの1、2番がヤクルト投手陣にとって厄介な存在だったことがわかる。

 そして第5戦でも、これまでのVTRを見ているかのように、初回のピンチこそ切り抜けたものの、4回に李大浩にレフトポール際に運ばれ先制を許してしまった。結局、勝負はここで決まったように思えたのだった。

 敗れた真中監督は試合後、こうコメントした。

「本当に圧倒された感じですね。ソフトバンクはまとまった素晴らしいチームでした。結果として負けたのは、“いつも通り”の力が出し切れなかったからだと思います。いろいろな部分でソフトバンクに劣っていたということですね。でも、これで終わったわけじゃないので、個々の能力を上積みして、常勝チームを作っていきたいですね」

 今シーズンを振り返れば、ペナントレース、交流戦、クライマックス・シリーズ、そして日本シリーズと、ソフトバンクはすべてにおいて圧倒的な力を見せつけた。この強さはまだまだ続くだろうし、その絶対的王者を打ち負かすチームの出現を心待ちにしたい。

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