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「4番・坂本勇人」に込められた、原監督の特別な思い (2ページ目)

  • 高松正人●文 text by Takamatsu Masato
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「(坂本)勇人はこれまで先輩たちに守られて成長してきた。もうワンランク上の選手になるには、自分がチームを背負っているんだという責任感が必要になってくる。これからは後輩たちを育てていかなくてはならないし、チームのために何をすべきかを考えながらプレイしてほしい」

 主将として、4番として、坂本がチームの先頭に立って、巨人を引っ張っていってほしいと、原監督は願っているのだ。

 もちろん、チームを動かす狙いもあったに違いない。これまでの主力が波に乗れない中、彼らの復調を待つ保守的な采配は、指揮官にとって退化を意味する。たとえば、「99%ない」と言っていた阿部の捕手復帰も開幕からわずか7試合目に断行するなど、攻めの采配でチームに刺激を与えてきた。すべてはシーズン中盤から終盤にかけての大事な時期に、ベストの状態で戦うためだ。そして「4番・坂本」もひとつの起爆剤だった。

 5月28日現在、坂本は打率.246、3本塁打、25打点と、4番打者に相応しい成績とはいえない。それでも得点圏打率は.386をマークし、坂本が4番として打点を挙げた試合は11戦11勝という不敗神話も継続している。原監督も「一歩一歩、進んでいる」と、4番打者としての成長を感じている。

 今年4月にふくらはぎの張りのために登録抹消されたが、坂本が二軍に落ちたのは実に8年ぶりのことだった。昨年、25歳5カ月というセ・リーグ最年少で通算1000安打を達成したことでもわかるように、常に一軍でプレイし、そして結果を残してきた。

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