甲子園春夏優勝投手、ソフトバンク島袋洋奨の現在地 (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sportiva

 島袋は去年の秋、ホークスの入団会見で『初志貫徹』という言葉を掲げた。島袋にとっての“初志”――それは、興南の我喜屋優監督に教えられた、こんな思いだ。

「監督からはよく『自主練習が一番きついんだぞ』って言われていました。自主練習って自分で計画するじゃないですか。だから、きつければ減らしたりもできる。でも、最初に決めた練習を、どんなにつらくても妥協しないで最後までやり抜けるかどうか……そこを問われてると思っています。だから、自分で決めたことを最後まで貫く“初志貫徹”という言葉は、ずっと自分の中に置いてあるんです」

 5年前の今頃、島袋は春のセンバツを勝ち抜いて、優勝投手となった。

 そして、日本中の高校球児が“打倒・島袋”を目指す中、夏も全国制覇を果たした。

 春も夏も甲子園で頂点に立った矜持は、今も胸の奥に秘めている。島袋は言った。

「いい夢を見られるよう、頑張ります……どういう夢がいいんですかね。あっ、でも夢なんか見ないで、熟睡できるほうがいいのかな(笑)」

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