2015.01.19

広島、24年ぶりVに現実味。黒田は黒田のままで帰ってきた

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • photo by AFLO

「広島に黒田博樹が帰ってくる」

 ここ数年オフになると毎年のように、広島ファンの間で囁(ささや)かれていた噂が今オフ、現実のものとなった。

8年ぶりに広島に復帰することを決めた黒田博樹

 年の瀬の2014年12月27日、広島球団からの正式な黒田復帰の知らせ。広島に留まらず、日本国中、そして米国の野球ファンにまで大きな衝撃を与えた。

「この度、黒田博樹選手と来シーズンの選手契約を結ぶこととなりました。8年ぶりに背番号15が復活いたします!」

 広島球団からの公式発表の文言についた感嘆符からも、喜びの大きさがうかがえる。夢見ていたことが突如現実のものとなり、誰もが冷静に現実を受け取れないでいた。

 黒田は海を渡っても、黒田であり続け、そして黒田のまま広島に帰ってきた。

 FA権を取得した2006年、海外や阪神への移籍が噂される中で広島残留を決めた。

「僕をここまでの投手に育ててくれたのはカープ。カープを相手に全力で投げる自分が想像できなかった」

 古き良き野球人の空気を醸(かも)し出していた。翌2007年に海外移籍の意思を伝えたときには広島への感謝を口にして涙し、「帰ってくるならカープ」と言葉を絞り出した。

 ロサンゼルスでも、ニューヨークでも、黒田はチームの大黒柱だった。ドジャースでは打線の援護に恵まれない中で、在籍4年で41勝(46敗)を挙げるなど、2年連続地区優勝に貢献。名門ヤンキースへ移籍しても、16勝、11勝、11勝と、主戦投手が離脱する中で抜群の安定感を誇った。

 来月40歳を迎える黒田に、古巣ドジャースやパドレスは日本円で20億円前後の年俸を提示したと言われる。米球界でも最大級の評価だ。