2014.09.27

V3達成。脱・巨人スタイルを確立した原監督の名将度

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 球団創設80周年の巨人が節目のシーズンで優勝を飾り、セ・リーグ3連覇を達成した。原辰徳監督自身、監督通算11年で7度目のリーグ制覇となったわけだが、これほど苦しんだシーズンもなかったのではないだろうか。阿部慎之助、村田修一といった主軸の調子が上がらず、一時はチーム総得点が総失点を下回るなど、深刻な得点力不足に見舞われた。9月に入りやや調子を取り戻したとはいえ、チーム打率.256はリーグワースト、567得点もリーグ4位である。

監督として7度目のリーグ優勝を飾った原辰徳監督

 一方、投手陣も左腕エースの内海哲也が開幕から白星に見放され、昨年、優勝の原動力となった西村健太朗、山口鉄也、スコット・マシソンのリリーフ陣も失点を重ねた。投打ともに苦しみながらも優勝に導いた今シーズンの原監督の采配は、解説者の目にどう映ったのだろうか。

 まず、今シーズンの巨人を語る上で外せないのが、毎試合のように名前が入れ替わった打線だ。原監督は今季ここまで(9月26日現在)137試合で106通りの打線を組んだ。これについて飯田哲也氏は次のように語る。

「今にして思えば、調子の上がらない選手が多い中で、原監督はいろんなことを試していたのかなと思いますね。選手にいろんな打順を打たせることで、今シーズンの適正打順を探していたのではないでしょうか。後半戦になって、打順が固定されると勝ちも増えていきました。僕が言うのも失礼ですが、原監督は目の前の一戦というより、1年を通した戦いに徹していたと思います。奥深さを感じました」

 与田剛氏も同じ意見だった。

「どうすればチームが機能するか、そのことを最優先に考えていたと思います。選手の状態を見て、どの打順ならいい結果を出せるのかを探していた。もちろん、打順を動かさないという選択肢もありますが、原監督は動かすことを選んだ。その決断も早かったですし、最後まで徹底していました」