西武・浅村栄斗「目標はトリプルスリーとデレク・ジーター」 (4ページ目)
―― そうした高い目標を目指すのは、去年、打点王を獲って自信になったことも影響していますか。
「それはあります。でも、去年の打点王は1番のヘルマン(現オリックス)が僕の前でチャンスを広げてくれたり、3番の栗山(巧)さんがフォアボールを選んでくれたりしたおかげなので。自分が打席に立てば、ほとんどチャンスで回ってきましたから。打点王のタイトルは獲りましたけど、自分だけの力ではないことが、改めてわかりました。ホントに周囲に感謝したい1年でした」
―― 打点王を獲って、良かったことはありますか?
「自信がついたことですね。まさか自分が打点王を獲れるなんて思っていなかったですから。渡辺(久信)監督に使ってもらって、しかも4番を打たせてくれた。ホントに感謝です」
―― 今年も4番を打ちたい気持ちは?
「中村(剛也)さんが帰ってくれば、確実に中村さんが4番を打つと思うので、打ちたいという気持ちは、まったくないですね」
―― タイトルの目標はありますか?
「トリプルスリー。それだけです。タイトルは考えていません」
―― タイトルは周囲と競い合うものである一方、トリプルスリーは自分が目指す目標。周りとの兼ね合いで考えるより、自分が定めたゴールに向かっていきたいタイプですか?
「そうですね。自分でしっかり目標を持ってやるのが、自分的には合っていると思います。とにかく3割打って、ホームランを30本以上打って、盗塁もできるだけやって。あとは必死でやるだけです」
―― 最後にひとつ聞かせてください。昨季、西武ドームで楽天がリーグ優勝を決めた試合で、浅村選手は最後の打者として田中将大投手(現ヤンキース)に空振り三振に打ち取られました。目の前で胴上げを見せられた悔しさは、現在までどういう原動力になっていますか?
「あの瞬間は、今までの野球人生で一番悔しかったです。まさか自分に回ってくるとは思っていませんでしたし……最後のバッターになるとは。あの時の気持ちはホント、忘れたらダメだと思います。力と力で、完全にやられましたから。すべてストレートでしたけど、バットに当たらなかった。レベルの違いを痛感させられました。『自分はもっとやらないといけない』と再確認させられまし、この悔しさを今シーズンにぶつけたいです」
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