2014.02.11

日本一を予感させる斎藤佑樹の復活と大谷翔平の覚醒

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports

 日本一から逆算すると──。

 指揮官は、確かにそう言った。

 就任1年目にリーグ制覇を成し遂げ、2年目には最下位の屈辱を味わわされたファイターズの栗山英樹監督は、だから異例の"予告先発"をぶち上げたのだ。

2回1失点ながら、存分に持ち味を発揮した斎藤佑樹。

 2月8日の紅白戦、先発は斎藤佑樹と大谷翔平。

 去年の秋季キャンプを打ち上げた時点で、ふたりにもその決定は伝えられた。その意図を栗山監督はこう説明したのである。

「日本一になるところから逆算すると、斎藤佑樹が復活するか、大谷翔平が化けるか......そういうことしかない。今年、日本一になるためにどうすればいいのかを考えれば、誰かひとり、プラスアルファのピッチャーが必要になることは明らかだからね。そのポテンシャルを考えたとき、まずは佑樹と翔平に賭けようと思った。これは佑樹や翔平のためじゃない。チームのため、勝つための発想なんだよ」

 リーグ優勝、最下位、そして日本一。

 指揮官の描く"とんでもない"夢を正夢にするために、絶対的に必要なもう一枚の切り札。その切り札になれる可能性を、栗山監督はふたりに見出していたからこそ、11月の時点でふたりにキャンプ序盤、しかも観客が集まりやすい土曜日の紅白戦での先発を言い渡したのだ。

 プロ2年目の大谷翔平。

 今シーズンの彼に求められているのは、先発ピッチャーとして中6日のローテーションを守ることだ。しかし名護キャンプの初日、大谷はブルペンでお世辞にもよかったとは言えない、フォームもボールもバラついたピッチングをしてしまった。栗山監督からも「ちゃんとやりなさい、ダメ」「余計なことをやり出すバカ ヤロー、頑張ろうぜ」と辛辣なコメントが飛び出したほど。ストレートはシュート回転して真ん中に入り、変化球も抜けたり引っ掛けたりして、思うようにストライクが入らない。ピッチングの直後、大谷自身もこんなふうに言っていた。

「これからだと思うんで、これからしっかりやっていければいいと思います。今日、できたこと、できなかったことを、次、しっかりと継続的にやっていきたい。いくボールといかないボールがハッキリしていましたし、変化球も抜けていた。その精度の問題ですけど、今の時期にできていることの方が珍しいし、ゆっくりやっていけばいいかなと思います。8日は今までやってきたことを出すだけです。特に8日に合わせてるわけじゃないので......」