2013.11.24

元巨人ドラフト1位・辻内崇伸「8年間の悔恨」を語る

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports

プロ野球「行く人、来る人」2013

今年もドラフトで育成枠を含めると89人の選手がプロからの指名を受けた。その一方で、かつて「怪物」と呼ばれた男がひっそりユニフォームを脱いだ。8年前の今頃はマスコミの注目を一身に浴び、将来の巨人のエースと嘱望されていた辻内崇伸だ。大阪桐蔭高校時代の3年夏の甲子園で、左腕最速となる156キロを記録。2回戦の藤代(茨城)戦では当時大会タイ記録となる19奪三振をマークした。しかし、高校野球史にその名を刻んだ剛腕のプロ生活は度重なる故障との戦いだった。結局、1度も公式戦の一軍マウンドに上がることなく26歳を前にした今秋、8年間の現役生活にピリオドが打たれた。

一度も一軍のマウンドを経験することなく、8年間のプロ野球生活に別れを告げた辻内崇伸。

―― ユニフォームを脱ぐ決断をされましたが、今はどんなお気持ちですか。

「今は、新しいことに挑戦するということで、楽しみの部分が大きいですね。すごく前向きな気持ちです」

―― 現役生活への悔い、未練といったものは?

「この8年間はホントに故障ばかりだったので……。あの痛み、苦しみから解放されるという意味ではホッとしています。もちろん、これからの仕事でもストレスと戦うことはあるでしょうし、うまくいかないこともあると思いますが、痛みを我慢しながら働くことはさすがにないですからね」

―― ケガに苦しんだ8年間だったと。そもそも、最初に痛みを感じたのは?

「振り返ってみれば、高校2年の夏ですね。大阪府大会で3連投ぐらいして、その時に肩を痛めたんです。針を打ちながら、何とか投げていた感じですね。ただ、3年の時は不思議と痛みはありませんでした。治ったのかなと思っていたら、プロに入ってすぐ痛くなって……。それから良くなることはなかったです」