2013.11.01

則本昂大に5イニング。星野監督の「捨て身の采配」は吉と出るか

  • 阿部珠樹●構成 text by Abe Tamaki
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

与田剛氏が見た日本シリーズ第5戦

 2勝2敗で迎えた日本シリーズ第5戦。今シリーズ初の延長戦となった一戦は、2-2で迎えた10回表に楽天が銀次、A・ジョーンズのタイムリーで2点を勝ち越し、試合を決めた。ただ、この試合の最大のポイントは、楽天2点リードの6回裏からマウンドに上がった則本昂大への継投だろう。則本は、巨人の村田修一に本塁打とタイムリーを許して同点に追いつかれたが、5イニングを投げ抜き勝利投手となった。第1戦に先発した則本をリリーフで起用した星野監督の采配は、評論家の目にどう映ったのか。かつて星野監督のもとでプレイし、第2回、第3回WBCで日本代表の投手コーチを務めた与田剛氏に解説してもらった。

6回から登板し、5イニングを投げ抜き勝利投手となった則本昂大

「星野監督は捨て身の采配」に出た。楽天が接戦を制した第5戦の投手起用を見て、そんな印象を強く持ちました。この日の楽天のキーマンは2点リードの6回からリリーフに立った則本です。第1戦に先発し、田中将大に次ぐ柱である則本をできれば間隔を空けて先発で使いたい。だが、今シリーズの楽天投手陣を見ると、リードした試合でリリーフを任せられるのは則本しかいない。それが6回から5イニング、79球のロングリリーフになってしまいました。

 戦前から楽天のリリーフ陣の不安は指摘されていました。だから、先発の中から誰かがリリーフに回ることはある程度予想できました。その中で、星野監督が最も信頼を寄せている田中がその役を果たすだろうという声が多かったのですが、星野さんが指名したのは則本でした。

 これには、田中が投げる試合は絶対に落とせない、万全の状態で先発として使いたいという星野監督の思いが強くあったはずです。そこで則本をリリーフ待機させて、試合展開によって登板させるという結論になったと思います。