2013.10.09

投打の役者揃う。強い西武がポストシーズンの大本命!?

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

 9月16日時点で3位・ソフトバンクにつけられた最大5ゲーム差を跳ね返し、西武が大逆転でクライマックス・シリーズ(CS)出場を決めた。9月22日のオリックス戦から10月8日のロッテ戦までの14試合は、8連勝を含む12勝2敗。1点差の試合が10を数え、残り3試合は2点差だった。渡辺久信監督が「よくもまあ、こういう展開になる(苦笑)」とこぼすほど、タフな終盤戦を走り抜き、2位に滑り込み、CSファーストステージを本拠地で迎えることとなった。

10月5日の楽天戦では決勝の本塁打を放ち、CS進出を決めた中村剛也

 なぜ、9月中旬まで苦しんでいた西武は息を吹き返すことができたのだろうか。苦境のチームに勢いをもたらしたのが、ケガから復帰したふたりの生え抜きだった。

 昨季オフに左ヒザの前十字靭帯と半月板の手術を受けた中村剛也は、9月6日に今季初めて一軍に登録された。起用されたのは定位置の「4番・サード」ではなく、「6番・指名打者」。復帰初戦となった同日のロッテ戦の試合前には円陣の中心に入り、「僕が帰ってきたので、6番・中村に任せて下さい」と笑いを誘った。

 左ヒザ、さらにリハビリ中に痛みの出た左肩の状態は万全ではなく、二軍調整はわずか7打席と試合勘を取り戻せぬまま一軍に合流した。そんな中村が西武打線で機能している理由は、6番打者としての"割り切り"にある。

 10月3日のソフトバンク戦では4対4で迎えた8回裏、先頭打者として打席に入り、レフトスタンドに豪快な決勝本塁打を突き刺した。「正直、狙っていました」とヒーローインタビューで話した中村は、クラブハウスに入る前、胸の内をこう明かしている。

「(一軍に復帰した)最初の頃はストレートも変化球にも対応できなくて、合ってきたと思ったら、やっぱり合っていなくて......。『今シーズンはもういいかな』と思って、『今日みたいにたまに打てればいい』と思っていました。そういうところがチームの勝ちにつながりましたね」