巨人、まさかの大失速は「国民栄誉賞」のせい!? (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

 2003年には阪神・星野仙一監督が日本シリーズ直前に週刊誌に「今季限りで退団」とスクープされ、シリーズも3勝4敗で敗れた。最近だと、2011年にソフトバンクと優勝を争っていた日本ハムが8月下旬に「梨田監督退任」の報道が出るやチームは大失速した。すべての原因が"新聞辞令"にあったとは言わないが、シーズン中の監督退任や次期監督の話題がチームや選手に影響を与えないわけがない。

 事実、5月5日以前の巨人は22勝8敗2分(勝率.733)と圧倒的な力を見せていたが、授賞式の翌日から4連敗を喫するなど、5月6日以降の勝敗(6月11日現在)は11勝14敗1分(勝率.440)と5割を切っている。

 評論家の金村義明氏は次のように語る。

「首位を独走している時に来季以降の人事の話が出ること自体、異常なことです。選手たちがその報道をどこまで信じていたかはわかりませんが、ベンチの雰囲気は間違いなく変わったと思います。誰だって、自分にとって合う監督、合わない監督はいると思うんです。僕も現役時代、ある監督に干されている時期がありました。そんな時、成績不振を理由に監督解任の噂が出たんです。それを聞いて、来年に向けて一から出直しの気持ちで練習に取り組んでいたんですが、なぜかチームが急に勝ち出してしまって......。断トツの最下位だったのが結局は2位になり、監督は残留。さすがにここにはいられないと思って、自らチームを去りました。これは極端な例かもしれませんが、選手にとって監督が代わるということはそれだけ大きなことなんです。たとえ噂話であったとしても、選手に与える影響は計り知れません」

 さらに片岡篤史氏も続く。

「監督が代われば、コーチ陣も代わるというのが日本の野球の通例です。普段、選手はコーチの指導の下、練習に取り組んでいるわけです。もし監督、コーチが代われば、これまで教えてもらっていたことと逆のことを言われることもあります。圧倒的な実績を持った選手ならもとかく、そうでない選手たちにとっては死活問題。気にするなと言われても、気になるものです。将来的な話かもしれませんが、そうした報道が出たことは事実。選手もコーチもやりにくくなったと思いますよ」

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