2013.06.13

好調ソフトバンクを牽引する6年目の「天才打者」中村晃の正体

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

4割を超える出塁率でチームに貢献している中村晃 佳境を迎えた今季のセ・パ交流戦。大混戦の中、6月9日に単独首位に立って頭ひとつ抜け出したのがソフトバンクだ。交流戦残り3試合、このまま首位を守り抜けば12球団最多となる4度目の優勝となる。シーズン序盤は苦しんだソフトバンクだったが、ここに来てようやく本領発揮といったところだろう。

 好調に転じたチームの大きな要因となっているのが打線。6月12日現在、ソフトバンクの交流戦の得点は120点(21試合)。これは2位日本ハムの87点(20試合)を大きく引き離す断トツの数字だ。はじまりは5月19日の中日戦(ヤフオクドーム)だった。今季最多19安打を放ち、12-4の圧勝劇。ここから17試合中10試合で2ケタ安打をマークし、2ケタ得点は5試合を数える。

 実は、この快進撃のきっかけとなった中日戦から、秋山幸二監督は打線のテコ入れを行なっていた。その目玉が、1番に起用した6年目の中村晃だった。この試合で6打数2安打2得点と結果を残した中村は、以後2試合を除いてソフトバンクの核弾頭に定着し、現在までの打率は.328(23試合67打数22安打)。これ自体も素晴らしい成績だが、それ以上に目を引くのが出塁率(.444)の高さだ。1番打者がこれだけ塁に出るのだから、得点力が上がるのも頷(うなず)ける。だが、中村は冷静に分析する。

「チームの好調の要因は僕じゃなくて、(交流戦首位打者の)長谷川(勇也)さんが5番に入る打線を組めているのが大きいんじゃないですかね。僕の役割はとにかくチャンスメイク。1試合で2度出塁するのがノルマだと思っています」

 内川聖一や松田宣浩、さらには若手の柳田悠岐などキャラの強いソフトバンク野手陣にあって、中村は彼らとは一線を画す。近頃、ソフトバンクでは点が入るたびにアイドルグループ・ももいろクローバーZの人気曲の振り付けにちなんだ「ももクロポーズ」をするのが流行っているが、発案者の柳田は「でも、(中村)晃だけはやってくれないんですよ」と苦笑いを浮かべる。