中日・ルナ&楽天・マギー。新外国人が首位打者の理由 (2ページ目)
また、技術的な点だけでなく、野球に取り組む姿勢も素晴らしいという。再び金村氏が言う。
「練習の時からいろんなコースを設定して打っている。それに試合中も欠かさずメモを取っていて、非常に研究熱心な選手です。当然、相手も研究してくるだろうけど、今の姿勢を持ち続けていれば、最後まで首位打者争いをすると思います」
一方、マギーについてはどうか。昨年まで日本ハムの投手コーチを務め、メジャーにも詳しい吉井理人氏は選球眼の良さを挙げた。
「来日1年目の外国人は、たいてい日本の投手の変化球攻めに対応できず苦労するんですが、マギーにはそうしたところがまったくありません。体が突っ込まず、しっかりボールを見極めることができている。これはルナにも共通しています。もうひとつ気がついたことは、無理に打ちにいかないこと。これまでの外国人選手は、契約に本塁打数や安打数が盛り込まれていたのか、強引に打ちにいく選手が多かったのですが、マギーはそうした強引さがない。打てる球だけをしっかり打っているから、高打率を残せているんでしょうね」
当たれば大きいが、三振も多いというのが従来の外国人選手のイメージだったが、彼らはそうしたタイプに当てはまらない。それについて吉井氏はメジャーの野球の変化を挙げた。
「ステロイドの取り締まりが厳しくなって、ボールも以前ほど飛ばなくなった。それによってホームランを狙う選手が極端に減り、代わりにミート中心の選手が増えた。ふたりともそうしたメジャーの変化を受けて成長してきた選手。だから、日本の野球にもうまく適応することができたんじゃないでしょうか」
吉井氏が言うように、メジャーの野球の変化が日本野球への適応につながっているとすれば面白い。ただ、日本ですぐに活躍するには、精神面、ハートの面の充実も関係してくる。金村氏は言う。
「ルナにしてもマギーにしてもバリバリのメジャーリーガーではなかっただけに変なプライドがなく謙虚な姿勢で野球に取り組んでいる。個人プレイに走らず、チームプレイに徹する覚悟がある。それから他の外国人の影響も見逃せない。マギーとともに楽天でプレイしているジョーンズは、実績だけでなく人柄も素晴らしい。技術面やチームプレイの重要さについて、いろいろとアドバイスを送っていると聞きました。そうした選手と一緒にやることで、多くのことを学んだのだと思います」
来日1年目からハイレベルな順応性を見せた両選手。首位打者獲得も夢ではない。ちなみに、セ・パ両リーグで外国人選手が首位打者を獲得したのは、1989年のクロマティ(巨人)とブーマー(オリックス)まで遡(さかのぼ)らなければならない。果たして24年ぶりの快挙なるか。ルナ、マギーのふたりからしばらく目が離せそうにない。
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