2013.02.19

【WBC】
今の前田健太は「日の丸」のために無理をすべきではない

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小内慎司●写真 photo by Kouchi Shinji

右肩に不安の残る前田健太。強化試合でも本調子にはほど遠い内容だった 記者席はネット裏のかなり三塁寄り、その最上段にあった。

 見ていた位置が真後ろでなかったためボールの横の動きが見えにくく、そのせいで球種を見分けるのに、ついスピードガンの表示を頼ってしまう。

 前田健太の初球、125キロ、ボール。高めに抜けたスライダーか。

 2球目、118キロ、ボール。アウトローのカーブだ。

 3球目、128キロ、ボール。これもやや高めに外れたスライダーだろう。

 これで3ボール、ノーストライクとなって4球目。

 ここで、前田はほぼ真ん中に、132キロのストライクを投げた。前田の132キロといえば、チェンジアップの球速ではあるが、いやいや、初回の先頭バッターに対し、3ボールからの4球目、ストライクを取りに行くのに変化球はあり得ない。

 ということは、ストレートが132キロなのか。

 まさかと思って、前の3球を思い起こす。初球の125キロ、3球目の128キロは、よもやストレートということはあるまいな。

 しかしながら、その130キロ前後の球はすべてストレートだった。そもそもフォームにしても、前田らしいしなやかさが感じられない。立ち投げで、肩が抜けないよう、抑え気味にそろりと腕を振っているように見える。