【プロ野球】セ・リーグCS。エース不在の中日が見出す活路とは? (2ページ目)
浅尾拓也、岩瀬仁紀の二枚看板に加え、ロングリリーフのできる山井大介、新人ながら大活躍した田島慎二、セットアッパーもクローザーもできるソーサ、無回転フォークで注目された岩田慎司など、次々と名前が挙がってくる。
「ドラゴンズにしてみれば、何としても投手戦に持ち込みたいところ。そのためにも不安のある投手は早く見切りをつけて、ゲームをコントロールしていくことが必要になってくるでしょう」
ただ、今季のスワローズとの対戦は8勝13敗3分と負け越している。エース不在に加え、対戦成績でも分が悪いとなるとかなりの苦戦が予想されるのだが......。しかし牛島氏は、「だからといってスワローズ有利とも考えにくい」という。
「何と言ってもドラゴンズ投手陣には大舞台の経験がある。山井は日本シリーズであわや完全試合という好投を見せたし、後ろには浅尾、岩瀬も控えている。彼らはここ数年、ずっとCS、日本シリーズを戦っているので、雰囲気に呑まれる心配はない。これは大きな強みですよ」
特に、右肩痛によりシーズンの大半を棒に振った浅尾が復帰を果たしたのは大きいという。
「もちろん、昨年のような絶対的な存在とはいえません。ただ、球威もだいぶ戻ってきたように見えますし、起用法を見ても不安は解消されたのではないでしょうか」
シーズンが終盤に進むにつれて、ベンチはテストを兼ねて浅尾に「イニングまたぎ」をさせた。投手のコンディション維持に人一倍敏感で、時には監督と対立することさえある権藤博投手コーチがそうした使い方を認めたということは、浅尾の状態はかなり回復しているというのが牛島氏の推測だ。
「ここ数年、ずっと投手力で勝ってきたドラゴンズだけに、吉見という絶対的な存在が抜けたのはたしかに痛い。だけど、何年もかけて積み重ねてきた大舞台での経験と実績は、スワローズにはない力といえるでしょう」
ペナントレースでドラゴンズとスワローズのゲーム差は9.5。この差をひっくり返されて「下克上」を食らうとなれば、それは大きな屈辱だろう。投手陣は総力を上げてエース不在を埋め、何としてもジャイアンツの待つ東京ドームへと向かいたいところだろう。
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