2012.10.11

【プロ野球】松田宣浩復帰でチームに勢い。
ソフトバンク「下克上」達成なるか?

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro

右手の骨折により戦線を離脱していた松田宣浩だったが、何とかCSに間に合った 惜しくもリーグ3連覇は逃したが、連続日本一の夢はまだ残っている。ソフトバンクが3位からの「下克上」を成し遂げるべく、10月13日から始まるクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージでシーズン2位の西武に挑む。

 短期決戦で大切になるのは勢い。「お祭り男」が出現したチームに軍配が上がる可能性は高い。ソフトバンクにチームに元気を与える頼もしい男が帰ってきた。CSのキーマンは松田宣浩である。

 8月1日の楽天戦で右手に死球を受けて骨折した。診断は全治3カ月。今季の復活は絶望視されていた。しかし、「意地があった」(松田)と9月25日の二軍戦で実戦復帰すると、10月5日には約2カ月ぶりとなる一軍復帰を果たした。レギュラーシーズンの残り3試合に間に合わせたのも、「CS、日本シリーズで完全燃焼するため」だった。

 今季の松田は95試合に出場して、打率.300、9本塁打、56打点。離脱するまで打率、打点でチーム二冠だった。加えて16盗塁の足と、昨季ゴールデングラブ賞を獲得した守備力もあり、文字通りチームの中心選手である。それ以上に秋山監督は、「ベンチで声を出してくれる」と、松田の存在感を高く評価する。ルーキーの武田翔太も「松田さんが戻ってきて、ロッカールームの雰囲気がガラリと変わりました。明るさが違いますね」と驚きの表情を浮かべていた。

 昨年まで、ソフトバンクの"元気印"といえば川崎宗則(マリナーズ)だったが、彼がメジャーに移籍した今シーズンから、松田自らが「(川崎のあとを)引き継ぐのは自分しかいない」と自覚を持ってやってきた。