【プロ野球】斎藤佑樹が取り組むべき課題は、
二軍という場で克服できるのか?
7月29日のオリックス戦、4回途中6失点の斎藤佑樹は試合後、二軍降格を命じられた 初回、14球のうち、ボール球は2球だけだった。
ストライクを投げる――この日の斎藤佑樹は、そのテーマを忠実に実践しようとしていた。
7月29日、大阪。
9日前、オールスターゲームの第1戦で立ったのと同じマウンドで、斎藤は立ち上がり、大胆さを意識しながら、ストライクゾーンにボールを投げ込んだ。
初回、2番の大引啓次に2球目のストレートをセカンドの頭上へ弾き返される。打たれたのは、鶴岡慎也が構えていたインサイドではなく、アウトコース。これは、明らかなコントロールミスだった。
早くもランナーを背負った斎藤は、3番の後藤光尊をセカンドゴロに打ち取った。ダブルプレイでチェンジかと思いきや、この日、ショートに入っていた杉谷拳士が一塁に悪送球。バッターランナーが二塁に進んで、バッターボックスに入ったのは4番の李大浩。
この日のポイントは、李大浩へのこの打席と、次の第2打席でのピッチングだった。
まず第1打席。
初球、外を狙ったストレートがシュート回転して真ん中に入ってくるものの、低めいっぱいだったことで見逃しのストライク。2球目は、その残像を利用して同じところから外角に曲げたスライダーで空振りを取って、斎藤は李大浩を2球で追い込んだ。3球目も外のスライダーをファウルさせ、4球目は外にストレートをわざと外した。これでワンボール、ツーストライク。5球目が勝負球だ。
選択肢はふたつ。
ストライクゾーンからボールゾーンに落ちるスライダーを振らせるか。
ワンバウンドを覚悟で、ボール球のスライダーを振らせるか。
もちろん前者は甘くなるリスクがあり、後者は見送られる可能性がある。
この日の斎藤のテーマはストライクを投げること。ならばと鶴岡の構えも、ワンバウンド覚悟のスライダーではなく、ストライクゾーンから逃げていくスライダーを要求していた。
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