【プロ野球】T-岡田、逆襲の誓い「ホームランは昨年以上にこだわっていく」 (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 荒川祐史●写真 photo by Arakawa Yuji

 オープン戦が進む中、まだ岡田のバットから快音は響いてこない。2月20日のヤクルトとの練習試合で満塁ホームランを放ち話題を集めたが、ここまでオープン戦4試合で14打数2安打(3月9日現在)。8日のDeNA戦の試合前も、「絶不調です。タイミングもバランスもスイングも全然です」と首をひねっていた。

 ただ、課題克服へ向けた変化も見え始めている。3打数1安打1四球だった7日のヤクルト戦、4打数ノーヒットに終わった8日のDeNA戦はともにボール球に手を出すことはなかった。ヤクルト戦の第1打席では、カウント3-2からロマンが投じた低めにワンバウンドするチェンジアップを、余裕を持って見逃し、一塁へ歩いた。明らかなボール球ではあったが、昨年なら振っていてもおかしくないゾーンだった。この小さな変化が長いシーズンの中でどう生きてくるのか。

 キャンプ中、話題になっていた4番争いは李大浩(イ・デホ)の圧勝で落ち着いたが、チームにとっては李の出塁が多くなりそうなだけに、あとを打つであろう岡田のバッティングが重要になる。

「自分がポイントになるのはわかっています」というT-岡田に、本塁打の数について聞いてみた。すると、「30本は打ちたいです」という答えが返ってきた。40本は……と向けると、「まずは30本です。去年の数字があるので。でも、ホームランは去年以上にこだわっていきます」と、決意を口にした。

 4番の座以上に譲れないホームランアーチストとしての居場所。そのためにも「打てるゾーンだけを打つ」――球史に名を残すふたりのスラッガーが口を揃えて語ったこの言葉通りに徹しきれれば、秋には大きな数字とともに、信頼も手にしていることだろう。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る