【プロ野球】T-岡田、逆襲の誓い「ホームランは昨年以上にこだわっていく」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 荒川祐史●写真 photo by Arakawa Yuji

一昨年の33本塁打から昨年は16本塁打と大きく数字を落としたT-岡田。今シーズンの巻き返しを誓う一昨年の33本塁打から昨年は16本塁打と大きく数字を落としたT-岡田。今シーズンの巻き返しを誓う「今年のTはお仕置きの4番よ。10月にもファーム落とそうか思うとったしな。まあ、外すのは簡単やけど......。1年間同じことの繰り返しや。来年はチームのために4番は打たせへんよ」

 昨年の最終戦。勝てば3位でクライマックスシリーズ進出となった一戦に敗れた試合後だった。記者から「T-岡田」に関する質問が出ると、岡田彰布監督は一気にまくし立てた。シーズン中にも似た光景は何度もあったが、指揮官の言う「同じこと」とは、ボール球に手を出し続けたT-岡田のバッティングを指していた。

 昨年のT-岡田の成績は打率.260、本塁打16、打点85。一昨年の打率.284、本塁打33、打点96から大きく数字を落としたが、コース別の打率にひとつの傾向がはっきり出ていた。

 内角低目.143(56-8)真ん中低目.190(42-8)、外角低目.202(124―25)。ストライクゾーンを9分割した内、低目3カ所の打率が極端に低かったのだ。確かに昨年はことごとくボールゾーンの球に手を出し、力ない凡打を繰り返していた。それもボールからボールのゾーン、時にはベース前でバウンドするような球にもバットが止まらなかった。

 シーズンが終わるとT-岡田も、「同じことをしていたらまた同じ結果になる。いろいろ考えてやっていきたい」と、そのひとつとして、フォーム、スイングをコンパクトにすることに取り組んできた。そうすることで飛距離への影響を心配する向きもあるが、本人の意識はむしろ真逆である。

「去年は統一球の影響もあったと思いますけど、それよりも自分が崩れてしまった。芯で捉(とら)える確率を上げないとホームランも増えないから、スイングをコンパクトにしようということです。自分の一番の持ち味がホームランということはわかっていますから」

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