大谷翔平&愛犬デコピンのボブルヘッド人形から『鬼滅の刃』とのコラボまで ドジャースの仕掛け人が語るその狙い (2ページ目)
【ギブアウェイと観客動員の相乗効果】
筆者は「昨年の愛犬デコピンとのコラボは大変な話題になりました。こういったアイデアはどのように決めているのですか」と質問を投げかけると、ローゼン氏はこう語った。
「私たちマーケティング部門がアイデアを考え、大谷選手に提案して了承を得ました。それどころか、本人が非常に乗り気になってくれて、ご存じのとおり、ファーストピッチ(始球式)ではデコピンがマウンドからボールをくわえ、捕手役の大谷選手の下まで駆けつけて、見事なストライクを投げました。大谷選手は『打席に立つよりも緊張した』と話していましたが、すばらしい演出のおかげでファンも大喜び。我々スタッフと大谷選手のボブルヘッドチームが一体となって実現できた成果でした」
年々ドジャースの「ボブルヘッド・デー」が増えている。その理由について、ローゼン氏はこう説明する。
「ファンの皆さんが本当に楽しんでくれているからです。過去に配布回数を増やした時も、反応はとてもポジティブでした。私たちにとって最も重要なのは、ファンに『今日、球場に来てよかった』と思ってもらうこと。これは試合に来てくれたファンの皆さんへの"ご褒美"なんです。だからボブルヘッドだけでなく、多くのプロモーションを行なっています。
今年はレプリカのトロフィーや優勝リング、チャンピオンパーカーなども配布してきました。さまざまなアイテムを用意していますが、ファンの反応がいいので、今後も工夫し続けていくつもりです」
実は今季のドジャースは、8月14日までのホーム62試合で309万人を動員しており、球団史上初となるシーズン400万人超えが射程圏内に入っている。達成には残り19試合で91万人を動員する必要があり、1試合あたり平均で約4万8000人が求められる。8月15日の『鬼滅の刃』とのコラボゲームには、5万3199人が来場した。
400万人の大台達成へ着実に歩みを進めている。
著者プロフィール
奥田秀樹 (おくだ・ひでき)
1963年、三重県生まれ。関西学院大卒業後、雑誌編集者を経て、フォトジャーナリストとして1990年渡米。NFL、NBA、MLBなどアメリカのスポーツ現場の取材を続け、MLBの取材歴は26年目。幅広い現地野球関係者との人脈を活かした取材網を誇り活動を続けている。全米野球記者協会のメンバーとして20年目、同ロサンゼルス支部での長年の働きを評価され、歴史あるボブ・ハンター賞を受賞している。
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