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2025年型・大谷翔平のバッティングを伊勢孝夫が徹底解説 「死球が増えたわけ」「二刀流復活の影響は?」 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi

 それはそれとして、懸念されるのが疲労だ。これからピッチャーとしてどんな起用法になっていくのかはわからないが、指名打者だけで出場していた昨年と比べて、バッティングに何らかの影響が出ることは間違いない。

 それでも大谷にしてみれば、「二刀流が復活したからといって、ホームラン数は減らしたくない」という思いがあるのだろう。今季の大谷のパワフルなスイングは、そんな彼の意地とプライドが透けて見える。

 それにしても、今季の大谷のバッティングを見ながら、あらためて彼のすごさを感じている。ふつうの人間じゃ考えられないことを、当たり前のようにやっているんだから......。もはや、我々のような評論家が良し悪しを言える次元のバッターではないことだけは間違いない。


伊勢孝夫(いせ・たかお)/1944年12月18日、兵庫県出身。63年に近鉄に投手として入団し、66年に野手に転向した。現役時代は勝負強い打撃で「伊勢大明神」と呼ばれ、近鉄、ヤクルトで活躍。現役引退後はヤクルトで野村克也監督の下、打撃コーチを務め、92、93、95年と3度の優勝に貢献。その後、近鉄や巨人でもリーグを制覇し優勝請負人の異名をとるなど、半世紀にわたりプロ野球に人生を捧げた伝説の名コーチ。現在はプロ野球解説者として活躍する傍ら、大阪観光大学の特別アドバイザーを務めるなど、指導者としても活躍している

著者プロフィール

  • 木村公一

    木村公一 (きむらこういち)

    獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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