大谷翔平ら中心にドジャース王朝への第一歩 稼いだ利益はさらなる強化のために再投資 (2ページ目)
【稼いだ利益を強化環境に再投資】
一方で、ドジャースは収益の67%を補強につぎ込んでいる。これはメッツに次ぐ2位だ。アンドリュー・フリードマン編成本部長は「MLBで勝つこと自体が難しく、それを継続することはもっと難しい。しかし、私たちは1年前に翔平に対してチャンピオンシップを目指し、積極的に動くと約束した。その責任を果たさなければならない」と断言する。大谷は自らの周囲に最高のチームを作り上げるため、極端な後払い契約を提案した。チームもまた、勝利のためには一切の妥協をしない。
稼いだ利益は、さらなる強化のために再投資される。それは選手補強だけにとどまらない。
現在、本拠地ドジャースタジアムでは、1億ドル(150億円)を投じた大規模な改修工事が進行中だ。ユーチューブの映像では、三塁ベース付近から外野のファウルポールにかけて、内野スタンドの前列シートが取り外され、ファウルグラウンドを含む地面が深く掘り返されている様子が確認できる。ブルドーザーやクレーンが忙しそうに稼働する工事現場には、新たに広々としたスペースが作られる。そこにアップグレードされたクラブハウスが設置され、大谷ら選手たちに最高の環境が提供される。
第2回(全4回)につづく
著者プロフィール
奥田秀樹 (おくだ・ひでき)
1963年、三重県生まれ。関西学院大卒業後、雑誌編集者を経て、フォトジャーナリストとして1990年渡米。NFL、NBA、MLBなどアメリカのスポーツ現場の取材を続け、MLBの取材歴は26年目。幅広い現地野球関係者との人脈を活かした取材網を誇り活動を続けている。全米野球記者協会のメンバーとして20年目、同ロサンゼルス支部での長年の働きを評価され、歴史あるボブ・ハンター賞を受賞している。
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