大谷翔平 VS パドレス投手陣を徹底分析 ドジャース戦に強いダルビッシュ、過去無安打の変化球投手、強力左腕リリーフ陣をどう打ち砕くか?

  • 奥田秀樹●取材・文 text by Okuda Hideki

大谷とは初対戦のダルビッシュだが、ドジャースには滅法強い photo by AFLO大谷とは初対戦のダルビッシュだが、ドジャースには滅法強い photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る

■打者・大谷翔平の対戦チーム投手分析2024「カモと苦手」:サンディエゴ・パドレス編

 今季、打者に専念する大谷翔平はどの投手を得意とし、苦手としているのか? 対戦チームの投手陣との相性を過去の実績から振り返りつつそれぞれの特徴、大谷との対決の見どころを紹介していく。今回は韓国・ソウルでの開幕2連戦、4月13日から15日までホームでの3連戦を戦うサンディエゴ・パドレスの投手陣を分析する。

【韓国で迎える"ビッグツー"初対決】

 ロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスの韓国での開幕シリーズ、多くの日本人ファンにとって、一番の注目ポイントは大谷翔平とダルビッシュ有の初対決ではないだろうか。

 言うまでもなく野球は1対1の勝負ではないことが前提だが、まず頭に入れておきたいのはダルビッシュがメジャー30球団の中でドジャースに最も良い結果を残しているという点だ。12試合に先発、75.2イニングを投げ、通算防御率2.38、92奪三振である。10試合以上対戦しているチームの中では防御率はトップ。ダルビッシュは以前から「ドジャース戦は特別」と話し、モチベーションも高くなると認めている。1番ムーキー・ベッツもダルビッシュには通算で打率.194、出塁率.265、長打率.387と打てていない。4番を予定されるウィル・スミスも打率.190とお手上げだ。5番のマックス・マンシーも29打席で12個の三振、ベテランのジェイソン・ヘイワードは12打数1安打、ユーティリティ選手のクリス・テーラーにいたっては13打数0安打。打っているのは3番フレディ・フリーマンくらいである。

 そのため、2番・大谷がダルビッシュを攻略し、フリーマンにつなげられるかどうかが開幕戦のカギを握ることになる。大谷は右投手には非常に強い。通算打率.327、出塁率.431、長打率.701、OPSは1.132だ。

 ダルビッシュは先日、対大谷について訊かれると、「ドジャース全体と対戦するのが先なので、もちろん楽しみにはしていますけど、これからしっかりベッツだったりほかのいい選手も含めて、勉強して試合に臨みたいと思います」と話している。

 最近のダルビッシュは好んで「勉強」という言葉を使う。チームのデータベースを閲覧し、対戦相手の傾向を詳しく調べ、ラップトップで自らゲームプランを練って試合に臨む。球団のスカウティングレポート担当とも仲が良いそうで、初球から打ってくるのか、どのコースなら振ってきやすいのか、得意な球種、苦手な球種など、丸裸にしていく。スイングの特徴も映像で確認し、その上でフォーシーム、ツーシーム、カッター、スプリット、スライダー、スイーパー、カーブなど多彩な球種を駆使して弱点を突いていく。彼ほど武器の多い投手はメジャー全体を見渡してもほかにいない。「ゲームの中でいろんなピッチャーになっていけるのが自分の強み」と話す。

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