山本由伸は1年目でエース格、今永昇太は2番手、37歳のダルビッシュは...ナ・リーグ日本人投手6人の評価 (4ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【松井裕樹と藤浪晋太郎に与えられる役割は?】

 先発で残る2枠は未定。キングと一緒に加入したジョニー・ブリトー、ランディ・バスケス、ドリュー・ソープの3人に、ペドロ・アビラやジェイ・グルームら候補は多いものの、いずれの実績もキング以上に乏しい。

 現地メディア『サンディエゴ・ユニオン-トリビューン』のケビン・エイシー氏によると、パドレスはFA市場に残っていて安く手に入れられそうなマイケル・ロレンゼン(前フィラデルフィア・フィリーズ)、エリック・ラウアー(前ブルワーズ)、ノア・シンダーガード(前クリーブランド・ガーディアンズ)らに興味を示しているらしい。

 いずれにせよトップ2は、マスグローブとダルビッシュで変わらない。ダルビッシュの投球は、今季のパドレスの浮沈を左右するかもしれない。

 WBCに続いてダルビッシュとチームメイトになった松井裕樹(28歳)は、ロベルト・スアレスにつなぐセットアッパーとして登板しそうだ。もっとも、スアレスではなく松井がクローザーを務めることもあり得る。スアレスは、2020年〜2021年に阪神タイガースで25セーブと42セーブを記録し、2年続けてタイトルを獲得したが、メジャーリーグでセーブを挙げたのは2022年の1試合だけだ。

 ただ、スアレスに代わるクローザーは、松井とは限らない。パドレスのブルペンには、韓国でクローザーとして活躍したコ・ウソク(高佑錫)も加わっている。

 千賀のいるメッツに入団した藤浪晋太郎(29歳)の役割は、ミドルリリーバーだと思われる。セットアッパーには、アダム・オッタビーノとブルックス・レイリーに、ドリュー・スミスもいる。最後はエドウィン・ディアスが締めくくる。

 藤浪は1年契約なので、メッツが序盤から低迷した場合、昨年に続いてシーズン途中にトレードで移籍する可能性もある。

(ア・リーグ投手編につづく)

◆ア・リーグ投手編>>「前田健太と菊池雄星はローテ入り確定、上沢直之はリリーフから先発転向も...」

プロフィール

  • 宇根夏樹

    宇根夏樹 (うね・なつき)

    ベースボール・ライター。1968年8月14日生まれ。三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランス。著書『MLB人類学──名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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