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大谷翔平がMLB史上初の偉業達成 山本昌は「ケガさえなければ、5、6年は今と変わらないパフォーマンスを見せてくれる」 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Taguchi Yukihito

 そんな大谷選手ですが、来年30歳を迎えます。ふつうの投手なら下り坂に差しかかってくる年齢です。僕自身、成績のピークは30歳前後でした。29歳を迎えた1994年、中日で29試合に先発して19勝を挙げることができましたが、いずれもキャリア最高の数字でした。それ以降もなんとか粘り、通算32年間プレーすることができました。

 僕の場合、もともと球が速くなかったこともあり、30歳を超えてもとくに何かを変えたわけではありません。もちろん、体のケアには気をつけていましたが、同じピッチングスタイルで50歳まで投げ続けました。

【投打とも底が見えない】

 プロ野球をはじめ、スポーツ界は日進月歩で進化しており、選手の置かれる状況はあらゆる面で昔とは違います。とくに医療や食事、トレーニング、そして摂生を含めた考え方など、年々アップデートされ、選手寿命も伸びています。

 これはよく知られている話ですが、大谷選手はそうした面でも超一流です。野球で最高のパフォーマンスを発揮するために、私生活からストイックです。「生活のすべてを野球に向けている」という話を関係者から聞きますし、以前取材させてもらった時もそのような話をしていました。ですので、来年30歳を迎えるからといって、いきなりパフォーマンスが落ちるようなことはないでしょう。

 それどころか、打者でも投手でもまだ底が見えません。成績が落ち始めるとしても、3年後とかではないでしょう。ケガさえなければ、あと5、6年は今と変わらないパフォーマンスを見せてくれるのではないでしょうか。仮に「20年後も今と同じ活躍をしろ」と言われたら、それはさすがに厳しいかもしれませんが......(笑)。

 そんなことを想像させるくらい、大谷選手の活躍はメジャーでも突き抜けています。バッティングではリーグトップの本塁打数(40本)に加えて、打率(.3059/リーグ3位)、打点(83/リーグ3位)でも上位につけていますし、ピッチングでも勝利数(10勝/リーグ6位タイ)、防御率(3.17/リーグ4位)、奪三振(165/リーグ3位)などすばらしい数字を残しています。

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