大谷翔平の2年連続MVPはまだ可能か。ヤンキースのジャッジが圧倒的優位な理由と、それを脅かすために必要な成績は? (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

大谷が逆転するために必要な成績は?

 今後、ヤンキースが順当に地区制覇を飾り、同時にジャッジのマイルストーンへの挑戦が続けば、圧倒的な評価を保ったままシーズン最終盤を迎えることになるのではないか。ルース、マリスのホームラン記録にあと1、2本に迫った際の地元ニューヨークの高揚ぶりは想像に難くない。もちろん絶不調に陥った場合の影響は考えられるものの、今季を通じて積み上げた、いわゆる"Narrative(ストーリー性の高さ)"によるアドバンテージは簡単には崩れないだろう。

 そう考えていくと、今後、MVP争いで大谷が逆転するためには圧倒的な成績が必要となる。ワールドシリーズが始まった1903年以降では史上初となる、規定打席(502/すでに達成)と規定投球回(162/残り34)の同時達成は必須。低迷するチームがすでに消化ゲームを戦っていることも印象的にはマイナスなため、たとえば「15勝&40本塁打」といった常軌を逸した数字が望まれるのかもしれない。

 正直なところ、残りゲームを考えれば現実的には厳しいが、大谷がそれらに近づけばMVP争いは加熱する。シーズン終盤とタイトル争いをさらに興味深いものにすべく、ジャッジが織りなす歴史的シーズンを楽しむだけでなく、大谷の"伝説的な9月"にもほのかな期待を寄せておきたいところだ。

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