MVPは大谷翔平かゲレーロか。ブルージェイズ番記者3人が出した結論は? (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

Q2 選考の理由は?

マグラス 大谷はエンゼルスにおいて、投手としてはエースピッチャー、打者としてベストヒッターであり続けてきた。後半戦は打撃面で少々苦しんだが、これまで体にかけた負荷を考えれば、それは理解できる範囲内のこと。シーズンを通じて二刀流を継続することの難しさは私たちの想像を超えたものであり、それがやり遂げられてきたことに感謝しなければならない。

ウォルスタット 大谷は最高級の打者であり、安定感のある投手でもある。そんな選手はメジャーリーグにおいてもこの100年間、生まれてはこなかった。ゲレーロは確かに打撃面では大谷を上回っている。ただ、相手投手からのマークが集中する大谷に比べ、ゲレーロはブルージェイズの強力打線の中で分厚いプロテクションに守られてきたことも見逃せない。

 今季のセミエンの貢献度は例年のマイク・トラウト(エンゼルス)に匹敵する。加えてボー・ビシェット、テオスカー・ヘルナンデスという2人のオールスター選手を抱えるチーム内で、ゲレーロの負担はより小さいものになっている。

ニコルソン・スミス ゲレーロのほうがより優れた打者で、打撃成績は上回っている。ただ、大谷はホームランを打つだけではなく、盗塁も多く、投手としては100イニング以上を投げ、3点台前半の防御率を残した。今のゲレーロの成績なら、ほとんどのシーズンでMVPが獲れるだろうし、今季に限ってはMVPが2人選ばれてもいいくらい。だが、どちらかを選ばなければいけないなら、トータルでの価値はやはり大谷が上回っているように思う。

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