大谷翔平に背中を押され同級生がメジャー挑戦。「本気の言葉をくれた」 (4ページ目)
しかし、次のテストは約束していた4球団のスカウトが約束の場所に現れず、ドタキャンを喰らってしまった。そこへなぜか予定されていなかったドジャースのスカウトが来て、いきなりテストになったのだが、失望や動揺もあって、満足のいくボールは投げられなかった。そんな紆余曲折を経てのマリナーズのテスト......これがテストを約束してくれている最後の球団だったとあって、小原はさぞかし緊張しているのだろうと思いきや、予想外に、彼はスッキリした表情でピオリアに現れた。
「いや、正直、アメリカに来て、約束していた練習パートナーにキャンセルされたり、練習する場所がなくなったりと、いろいろ凹むことが重なっていたんです。でも、ふと、周りに期待しすぎる自分がいたことに気づきました。この国では自らアクションを起こして、自分で準備をしなくちゃダメなんだということを今さらながらに学んで、いい意味で周りに期待するのをやめようと思ったんです。そうしたら、メンタル面の波がなくなった。僕、こちらに来て精神的にものすごく変わることができたんじゃないかなと思っています。(スッキリ見えるのは)だからなのかな(笑)」
テストが始まった。
後編につづく
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