大谷翔平の成績で特筆すべきこと。30本塁打30盗塁の夢が見えていた (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 また、3番バッターで「ふたケタ本塁打&ふたケタ盗塁」を記録しているのは、ア・リーグでは大谷とテキサス・レンジャーズのエルビス・アンドロス(10本塁打&28盗塁)。ナ・リーグではピッツバーグ・パイレーツのスターリング・マルテ(23本塁打&25盗塁)のみで、計3人しか到達していません。

 大谷選手の走力については、以前より関係者から高く評価されています。現役時代に通算354盗塁を記録し、現在はヒューストン・アストロズで三塁コーチを務めるゲイリー・ペティスは、「誰もマネのできない逸材」と絶賛しています。MLBが導入している『スタット・キャスト』によると、大谷選手は秒速28.2フィート(約8.6メートル)で走り、マイク・トラウトに次ぐチーム2番目の俊足を誇っています。

 アメリカの人々をさらに驚かせているのは、大きな体格にもかかわらず足が速い点でしょう。身長193cmもありながら、あれだけのスピードを出せることも話題となっています。そのプレーぶりを見て、アトランタ・ブレーブスで活躍したデール・マーフィーや、ニューヨーク・メッツなどでプレーしたダリル・ストロベリーなどの名前が、ファンの間で引き合いに出されています。

 マーフィーはオールスターゲームに7度選ばれ、1982年と1983年に2年続けてナ・リーグMVPに輝いた身長193cmの名選手です。1983年には30本塁打・30盗塁、いわゆる「30-30(サーティ・サーティ)」を達成しました。一方、ストロベリーも198cmの高身長で、1980年のドラフト全体1位指名でメッツに入団した人気選手です。パワーとスピードを兼ね備えており、1987年にはこちらも「30-30」を成し遂げました。

 トラウトと大谷選手の2番・3番コンビを、現地メディアは「新バッシュブラザーズ」と呼んでいます。バッシュブラザーズとは、1980年代後半に旋風を巻き起こしたオークランド・アスレチックスのホセ・カンセコとマーク・マグワイアの大砲コンビの愛称です。それに例えられるぐらい、このコンビはメジャー屈指の破壊力と評されています。

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