マリナーズのミッチ・ハニガーが明かす「クラブハウスでのイチロー」 (2ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Nagatsuka Kazushi
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

―― 今シーズン、大半は3番を任されていましたが、終盤は1番を打ったりもしました。ハニガー選手は守備もいいし、実際、メジャータイ記録となる12のアシスト(捕殺)を記録しました。高校まではアメリカンフットボールもプレーしていたと聞きましたが、そうした過去のマルチスポーツの経験が、野球選手としてオールラウンドな活躍につながっていると思いますか。

「それは大いにあると思います。アメリカンフットボールではワイドレシーバー(オフェンスでパスを捕球するポジション)とセーフティー(ディフェンスの最後列を守るポジション)をやっていたのですが、両方とも相手選手に囲まれながらプレーしなければいけないポジションですし、それは野球での外野守備の際、たとえばフェンスを気にしながら捕球したり、フライを追う時に一度目を切って最短距離で落下地点まで走ったりする時など、アメリカンフットボールの経験が生きていると感じます」

―― アメリカンフットボールの選手になることは考えなかったのですか。

「そうですね......野球の方が、未来が拓けていると思ったし、フットボールはそこまでではなかったから。だから、最終的に野球を選びました」

―― 近年、メジャーリーグは"フライボール革命"という言葉に代表されるように、多くの打者が本塁打を打つ傾向にあります。その一方で、野球は守備や走塁といった要素も重要だと思いますが、ハニガー選手の考えはいかがですか。

「ここ数年、みんなWARWins Above Replacements=そのポジションの選手が代替選手と比べてどれだけ勝利を上積みしたかを測る指標)に注目しています。なぜなら、打撃、守備、走塁といったすべてのものが反映される指標だからです。野手として、打撃、守備、走塁といったすべてにおいて高いレベルでプレーできれば、その数値は上がることになります。だから『長打を打つだけでいい』ということにはなりません」

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