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大谷翔平は新人王に相応しい。
ライバルとの差を示す驚異のスタッツ

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Image

 大谷翔平は新人王に相応しいのか――。2018年の個人タイトル争いにおいて、"日本のベーブ・ルース"の価値があらためて注目されている。

メジャー1年目で輝かしい成績を残した大谷メジャー1年目で輝かしい成績を残した大谷 エンゼルスでメジャー1年目のシーズンを終えた大谷は、打者としては104試合に出場し、打率.285、22本塁打、61打点、10盗塁と堂々たる成績をマーク。さらに投手としても、10試合で4勝2敗、防御率3.31を残した。ただ、右肘を痛めて後半戦では投手としてほとんど貢献できず、規定打席、規定投球回に達していないという投打両面での突っ込みどころは存在する。

 加えて今季は、ヤンキースのミゲル・アンドゥハー(打率.297、27本塁打)、グレイバー・トレース(打率.271、24本塁打)、レイズのライアン・ヤーブロー(16勝6敗、防御率3.91)などのライバルがいるだけに、新人王争いは予断を許さない。

 このハイレベルな争いについて、『MLB.com』のデビッド・アドラー記者に分析してもらった。アドラー氏はメジャー公式サイトの動作解析システム「スタットキャスト」の分析担当者だ。とくに大谷に関しての打球の初速度、走塁スピード、投球速度など、走攻守の詳細なデータを瞬時に弾き出すことで知られ、日本メディアにもさまざまな形で露出してきた。

 そのアドラーが選んだ今季のア・リーグ新人王は、やはり大谷だった。ある意味で「Shohei Ohtani」を誰よりも知る米メディアの言葉に、じっくりと耳を傾けてみたい。

――今季のア・リーグのルーキーはレベルが高かったですが、新人王には誰を選びますか?

「 大谷が相応しいと思います。メジャーで投手と打者の両方をこなすという、近年は誰もやり遂げたことがないことをやったから、というだけではありません。彼が新人王に値すると思うのは、彼が投打の両方で上質な技量を示したからです。ルーキーに限らず、ベテランまで含めて、彼のようにユニークなシーズンを過ごした選手は他にはいません」

――打者としての数字だけでも新人王候補になる資格は十分。故障は残念ですが、投手としても序盤の活躍はインパクトがありました。

「投手としては、単に100マイル(約161キロ)の速球と優れたスプリットを投げるというだけでなく、さまざまな方法で打者をアウトにする能力を示してきました。アスレチックスのようにプレーオフに出てくる強豪チーム相手にも好投しています。

 それに加えて20本以上のホームランを打ったんですからね。もちろん大谷はまだベストプレーヤーではなく、彼がMVPに相応しいと言っているわけではありません。しかし、彼こそが"ベストルーキー"です」

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