「大谷翔平におったまげた」NYの記者4人。未来予測は意見が割れた (5ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

〈4〉将来的に、彼は二刀流を継続すると思うか。それとも、どちらかに専念することになると思うか

クラピッシュ エンゼルスは様子を見ている最中だが、私は最終的には彼はひとつの役割に集中するのではないかと考えている。MLBのシーズンは長く、遠征も厳しく、海外から来た多くの選手たちはその負荷を厳しいものと感じてきた。この点に気づいていないファンは多いが、メジャーで1シーズンを過ごすことは心身両面で並大抵の難しさではない。ひとつの仕事だけでも大変なのに、投打の両方をこなしたら身体にかかる負荷は倍になるわけで、現実的には難しい。

 投手、打者のどちらでいくかはわからない。彼は素晴らしいスライダーを持っていて、すでにメジャー最高級の打者を打ち取れることも証明している。とてもいい打者でもあるが、個人的には投手としての能力の方が上回っていると思う。それゆえ、いずれは投手に専念する可能性が高いかもしれない。その判断は来年以降に下されることになるのだろう。

レノン 能力だけを考えれば、彼は二刀流で成功できるだけのものを持っている。すでに偉大なピッチャーであり、偉大なバッターにもなれることを示してきた。今後のクエスチョンは、この成功を継続できるかどうかだ。それを見定めるのは難しく、時間が教えてくれることなのだろう。

 適切な管理下なら続けられるのかもしれない。ひとりのベースボールファンとしては続けてもらいたいが、こればかりはわからない。チーム側は大谷に毎日打線に入ってほしいと願うか、あるいは5日に1度投げて抑えてほしいと考えるようになるか。大谷は両方を続けたいと願っているように見えるが、今後、長いサンプルを得たうえで、チームと本人が答えを出していくことになる。

ハービー 今季後半か来季か、あるいは2、3年後かわからないが、どちらかに専念することを選ぶ日が来るように思える。本当にユニークで、特別で、クールなことだから、二刀流を続けてほしい。ただ、メジャーのシーズンは長く、日程もハードで継続するのは難しいだろう。どちらかを選ばなければいけないなら、私は野手だと思う。彼の打撃は素晴らしいし、外野の守備でも、とてつもない強肩を生かせるからだ。

アドラー 私は両方を続けるべきだと考えている。投手としては100マイルの速球と、ほとんどアンヒッタブルなスプリットを投げている。打者としてもすさまじい速さの打球を飛ばし、サイ・ヤング賞を獲った投手からも本塁打を打った。

 これだけの実績を残せる選手は稀有(けう)な存在であり、継続を目指してしかるべきだ。メジャーリーグはファンのためのスポーツエンターテインメント。二刀流をハイレベルでこなす大谷ほどファンを喜ばせられる選手は存在せず、彼の出現はここ最近のMLBで最もクールな出来事だった。

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